マイカーライフクリエイターズ Vol.23
2026.07.29

オールトヨタブランドは、ダイハツ、トヨタ、GR、レクサス、センチュリーの5つで構成されています。その中でも、センチュリーはトヨタがつくる究極のショーファーカー、ショーファードリブンカーです。
センチュリーブランドは特別かつ永続的なブランドで、取り扱うことができるのは認定された専門スタッフのみ。センチュリーブランドのマインドを熟知し、丁寧な応対と万全なサービスを提供できる営業スタッフとエンジニアがセンチュリーマイスターです。営業スタッフは「セールスマイスター」、エンジニアは「テクニカルマイスター」とそれぞれ呼ばれます。
2024年時点では、全国トヨタ販売店のスタッフのわずか0.6%しか認定されていない制度で、認定にあたっては面接や研修、社内試験が行われます。
今回ご紹介する福田さんは、日々の業務への取り組みやお客様対応、そして仕事に向き合う姿勢が高く評価され、社内選出を経てセンチュリーマイスターに認定されました。

その後、センチュリーの整備対応やお客様への向き合い方、ブランド価値向上に向けた活動が評価され、全国のセンチュリーマイスターの中から選ばれる「センチュリーマイスター表彰」を受賞されました。この年に表彰を受けたのは全国でわずか6名。なかでもエンジニアの受賞者は福田さんを含めて2名のみという、大変狭き門でした。
さらに表彰後には、全国のセンチュリーマイスターに向けて開催された研鑽会で講師も務め、自身の経験や仕事への考え方を共有しました。

全国で認められる存在。
入社からずっと順調にキャリアを積み重ねてきたと想像していたのですが、お話を伺う中で見えてきたのは、少し意外な姿でした。
失敗だらけの若手時代
入社してから1、2年くらいは、クルマに触れば壊すような整備士でした。
今は笑い話になりますけど、お客様も上司も先輩方もたまったもんじゃなかったと思います、当時は。
ネジを締めれば、締め過ぎて部品を壊す。外しにくい部品を無理に引っ張って壊す。非分解と言って、分解整備しちゃいけない部品のネジを外したり、本当にたくさん壊しました。壊さないように考えてやればいいんでしょうけど、そこまで至らなかったんでしょうね。
触ると壊れる。
壊すのが怖い。
だから仕事もやりたくない。

大きな転機があったわけじゃない
何がきっかけだったのかは覚えてはいませんが、自分で「このままじゃダメだな」って気づいたんだと思います。
たくさん上司や先輩方に怒られました。でも、どの方も本当にすごい人たちだったんです。技術だけじゃなく、仕事への向き合い方や考え方にも大きな影響を受けました。3年目くらいからですかね。失敗ばかり繰り返していたのが、少しずつ知識と経験を積み重ね、失敗も減っていきました。もちろん、本当は壊さないで覚えることが一番です。でも、壊すと身につくんですよね。気持ち的には嫌ですけど。
なので、今でも初めてやる作業は慎重に行いますし、新人や若手スタッフが初めての作業の時も見守ります。「そこは気をつけた方がいいな」と気づけるのも、自分自身が失敗を経験してきたからだと思います。同じ失敗をしてほしくないですし、作業によっては怪我につながる可能性もあります。気づいたことは都度声を掛けるようにしています。誰かに変えてもらったというより、自分で気づいて、自分で変わろうと思ったんだと思います。たくさん怒られましたけど、振り返ると本当にありがたかったです。

徐々に広がった仕事の幅
少しずつ任される仕事も変わっていきました。その中で面白さに気づいたのが故障診断です。
クルマの症状から原因を探していく仕事で、症状から仮説を立てて、自分が考えた通りに原因を見つけられた時は達成感がありますし、そこが面白いところでもあります。ただ、今でも思い込みで診断を進めてしまって、遠回りすることもあります。一つひとつ確認した結果、「原因はここだったか」と気づくこともあるので、思い込みをなくして一つひとつ確認することを大切にしています。
故障診断を経験していく中で、勉強の仕方や考え方も少しずつ分かるようになりました。
目の前の故障を直すだけではなく、「なぜそうなったのか」を考える。
分からないことは調べる。
理解できるまで掘り下げる。
そういう習慣が身についていったと思います。
勉強のやり方が分かってからは、資格取得にも意欲的に取り組めるようになりました。毎日、朝または夜に2時間ほど自宅で勉強を重ね、トヨタ技術検定1級を取得。間を空けず、そのままの勢いで国家1級自動車整備士も取得しました。

ワンランク上の気持ちで向き合う
センチュリーは、トヨタがつくる日本を代表する特別なクルマです。
所有されている車種やお客様によって対応を変えるわけではありませんが、センチュリーに向き合う時はワンランク上の気持ちで臨んでいます。点検整備だけでなく、洗車や仕上げにも気を配り、少しでもきれいな状態でお客様へお返ししたいと思っています。
お客様のセンチュリーを街中で見かけた方が、「かっこいい」と感じてくださるような状態でお返ししたいと思っています。また、センチュリーをご購入されたお客様は、クルマそのものはもちろん、購入後の対応にも期待されています。だからこそ、「これでいいだろう」「整備さえすればいい」ではありません。「もっと良くできないか」を常に考えています。
センチュリーマイスターになってからは、お客様にどのような価値をご提供できるかを、より意識するようになりました。責任も感じますが、それ以上にセンチュリーに携われることを誇りに思っています。

次のセンチュリーマイスターへ
若いうちは失敗を恐れず、さまざまなことに挑戦してほしいと思います。
失敗しないのが一番ですが、私は失敗しながら、少しずつ成長してきました。
トヨタの知識と人間力を磨いて、ぜひセンチュリーマイスターを目指しましょう。
私自身もまだ道半ばです。今後はトップクルーを目指してチャレンジしていきたいと思います。


